2003年11月 8日 (土)

CLAPVによる環境汚染被害者への支援活動

中国政法大学公害被害者法律援助センター(CLAPV)は、1998年10月に同大学の認可を経て、司法部に登録された民間環境保護団体、いわゆる環境NGOである。これはあくまで通称であり、正式登録名は「中国政法大学環境資源法研究・サービスセンター」である。しかし、通称のほうが同センターの活動実態を端的に反映している。CLAPVは同大学の環境法専任教授の王燦発センター長および同副教授の許可祝副センター長を中心に、学内外の教員や大学院生、弁護士などのボランティアで運営されている、いわばプロフェッショナルな環境NGOである。

CLAPVの本格的な活動は1999年11月に開設した全国の環境汚染被害者に向けた無料の法律相談サービスに始まる。とくに電話相談(ホットライン)は国内のテレビ、ラジオ、新聞にしばしば取り上げられて、CLAPVの看板的な活動となっており、CLAPVの所在地である北京だけではなく、全国各地の環境汚染被害者から相談が寄せられている。CLAPVの統計*によると2002年末までの3年間で受けた相談の数は、電話が4284件、投書が186通、直接センターを訪ねてきた人が延べ333人であるという。

また、被害者による法院(裁判所)への提訴に対する積極的な支援もCLAPVの重点活動のひとつである。具体的には、訴訟手続きの代行、訴訟費用の立て替え、弁護士の代理・派遣などを行っている。CLAPVの統計*によると2002年末までの3年間で43件の環境訴訟を支援している。2001年からは経済条件の厳しい西部地域の環境訴訟案件の発掘・支援を重点的に行っている。現在、10の典型的な事件を取り上げて現地の弁護士と協力して訴訟支援を展開しているところである。

さらにCLAPVが2001年来力を入れている活動のひとつに、全国の弁護士や裁判官を対象にした環境法律実務研修がある。これは、環境汚染被害者の救済には、環境法の執行を担う裁判官や弁護士の育成が不可欠であるという認識から出発した活動である。これまで2001年10月、2002年11月と2回にわたって約150名の弁護士と50名の裁判官に対する研修を行っている。今年は11月23日から第3回の研修が行われる予定である。この研修コースを通して形成された弁護士ネットワークは、たとえば西部地域の案件発掘のための現地調査においては地元の研修修了生が協力を行うなど、CLAPVの活動を展開する上で重要な役割を担いつつある。

*「CLAPVの統計」はいずれも『中国政法大学環境資源法研究和服務中心年刊・2002』(中国語)による。

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トラックバック送信日: 2007年7月31日 (火) 12:53
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トラックバック送信日: 2008年10月 7日 (火) 07:22

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