2005年11月 1日 (火)
2005年8月17日 (水)

 2005年7月23~25日に、淮河流域の水汚染問題に取り組む環境NGO、淮河衛士(淮河水系生態環境科学研究センター)を約1年ぶりに訪問し、沙穎河流域村落における水汚染被害の状況について見聞を深めた。1年前の訪問記については、2004年10月20日付けの記事「淮河流域の水汚染問題と現地NGOの活動」を参照されたい。

 まず、23日は上海から午後便で鄭州に飛び、鄭州から昨年と同じ運転手(元村長)のタクシーで約3時間かけて周口市沈丘県槐店回族鎮に入った。淮河衛士代表の霍岱珊氏と再会ののち、近くのレストランで二人の息子さんとともに、夕食をとりながら、ここ1年間の水汚染被害の状況変化について話を伺った。

 24日は、午前に、昨年8月にCCTVで報道された黄孟栄村を訪問し、続いて浙江衛星電視台の取材現場となったという陳口村で老書記らと立ち話をした。お昼は霍氏宅でいただき、少し休憩した後、午後遅くに昨年行った東孫楼村で同じ人と懇談し、最後にその隣の解庄村で村の書記と衛生所の医師らの案内で癌患者の訪問を行った。

25日は、項城市の二つの企業を訪問した。まず、蓮花集団の廃水垂れ流しの現場を案内してもらい、その足で隣の丁集鎮の綿羊皮革生産基地を鎮副書記の案内で見学を行った。その後、蓮花集団に戻って排水処理施設を見学したあと、河南蓮花味精素株式有限公司の環境保護処を統括している副総経理にお会いした。

今回の訪問による発見、感想について以下に記す。

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2005年8月13日 (土)

この藍天碧水研究への投稿は実に8ヶ月以上のブランクが空いてしまった。その間、中国環境ハンドブックの編集母体である中国環境問題研究会のウェブサイトをこのドメインに立ち上げている。どのように使い分けようか逡巡しているうちに時間ばかりが経ってしまう。試行錯誤しつつまたこのサイトへの投稿も再開してみたい。

2004年11月29日 (月)

中国環境問題研究会を立ち上げて以来、懸案であった『中国環境ハンドブック[2005-2006]年版』がようやく発刊されることになった。関心のあるより多くの人々に手に取っていただけることを切に願いたい。

■中国21世紀総研
http://www.21ccs.jp/
■蒼蒼社HP中国環境ハンドブック紹介
http://www.mmjp.or.jp/sososha/kankyo.html

2004年10月20日 (水)

2004年8月に北京で国際シンポジウムに参加したあと、22日から24日にかけて河南省の淮河流域を訪問した。その訪問記は現在準備中であるが、ここでは淮河流域の水汚染問題と現地NGOの活動について今回の現地調査を踏まえてまとめておきたい。

淮河では1970年代から河川水質が悪化し、従来から発生していた洪水や干ばつに加えて、水汚染事故が発生するようになった。水質悪化の主な原因は工場廃水に加えて、生活汚水や農地における施肥や農薬使用による土壌・水質汚濁とされている。『中国環境年鑑』及び『中国水利年鑑』各年版では、淮河流域において度重なる水汚染事故により、工場操業停止、漁業被害、断水、健康被害などが起きていると報告されている。1994年には3度も大きな水汚染事故が発生しており、そのうち7月の事故では150万人にのぼる流域住民が断水の影響を受けた。この7月の事故は、淮河上流の支流域で暴雨が降った際に、洪水防止のため水門を開け放流したところ、これまで上流にたまっていた大量の汚水が下流に拡散して、70キロメートルにわたって汚水の帯が形成されて起きたものであった。1995年には「淮河流域水汚染防治暫行条例」(政令に相当)が国務院から発布され、翌年には流域全体のCOD(化学的酸素要求量)排出負荷量を総量規制するための5ヵ年計画が公布され、小規模製紙工場を閉鎖または生産停止し、流域すべての工場に排水基準を遵守させるなど、工業汚染源対策を中心に水質規制が強化された。そうして淮河流域の水汚染対策は全国の環境汚染対策のモデルとなり、全国レベルで15業種の小規模汚染工業の取り締まり・閉鎖または生産停止とすべての工業汚染源の廃水・廃ガス排出基準の遵守が求められるようになった。

しかし、そうして水汚染対策が強化されて以降も汚染事故が絶えない。

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2004年8月31日 (火)

2004年8月20日から21日午前までの1日半の日程で、北京の日中友好環境保全センターを会場として行われた環境損害賠償立法国際シンポジウムに参加した(右のフォトアルバム200408 CLAPV Conference参照)。この国際シンポジウムは全国人民代表大会環境・資源保護委員会法案室と中国政法大学の共催のもと、フォード財団とオランダ国際開発協力機構(NOVIB)などから資金協力を得て、中国政法大学公害被害者法律援助センター(環境資源法研究・サービスセンター、CLAPV)が、実施したものである。このシンポジウムは今年3月に熊本学園大学で開かれた第2回環境被害救済(環境紛争処理)日中国際ワークショップにおいて全人代環境・資源保護委員会法案室主任(室長)の孫佑海氏が開催予告したものである。特徴としては、環境法及び周辺科学研究者、そして関連する行政、法曹界の実務家だけでなく、民法関係の研究者の参加が多数あったことであろう。また、オランダ、アメリカ、日本からも若干名の参加があり、日本からは立教大学淡路剛久教授、東京経済大学片岡直樹教授らが日本の経験に関する報告や中国の立法草案に対するコメントなどを行った。

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2004年8月30日 (月)

2004年3月に熊本学園大学で行われた第2回環境被害救済(環境紛争処理)日中国際ワークショップの会議報告が『環境と公害』Vol.34 No.1 2004に掲載された(67~68頁)。中国語が主であるがこのワークショップに関するウェブ上の記事はWeblink@eThinkPub.netにまとめておいた。そこには北京から熊本に同行取材に来られた人民日報の趙永新記者の記事にもリンクがあるのであわせて参照していただければ幸いである。

2004年6月 9日 (水)

6月5日の「世界環境の日」にあわせて、6月3日、国務院新聞弁公室が国家環境保護総局解振華局長と汪紀戎副局長による記者会見を開催し、2003年中国環境状況公報を発布し、同時に今年の世界環境の日のテーマにあわせて中国海洋環境保護状況を紹介した。

<情報源>
国家環境保護総局(SEPA)
中国環境 (国内新聞の6月4日付け一連記事)
人民網(中国語)>でも該当記事があったがどういうわけか昨日からアクセスしにくくなっている。(6月9日1:30)
※個別記事については、Weblink@eThinkPub.net2004年6月9日付けクリッピングを参照。

2004年6月 8日 (火)

昨年11月に人民大学で行われた第3回中国国際環境協力NGOフォーラムの最終報告書がアメリカ側の主催団体のウェブサイトに掲載された。(英文)
http://www.ifce.org/project.html
(情報源:THE CESDRRC NEWS May 2004/ thirty-seventh edition)
なお、このNGOフォーラムの様子については本サイトの2003年12月24日及び2004年1月21日付け記事を参照。